旅館にぴったりの客室インテリア!癒し空間を生み出すポイント4つ

「そろそろ客室の雰囲気を変えたい」
「客室をもっと素敵な空間にしたい…」

ゲストにとって、旅館で一番多くの時間を過ごす場所が客室です。

旅行のメインともいえるでしょう。

そんな客室をより良い空間にしたい、時には雰囲気を一新したいと思うこともありますよね。

そこで提案したいのが、客室インテリアの刷新です。間取りや構造を変えるのは大変ですが、インテリアなら比較的簡単に取り替えられます。

この記事では、旅館にぴったりの客室インテリアについて、癒し空間を生み出すポイントを解説しています。

インテリアでおしゃれな旅館やホテルも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

旅館の客室は癒し空間へ

ゲストが旅先の宿泊施設として旅館を選ぶのは、なぜでしょうか。

格安のビジネスホテルでもなく、人との交流が多いホステルでもなく、旅館を選ぶのは日々の忙しさから離れて癒されたいと思うからでしょう。

毎日がんばっている自分や家族へのご褒美に、旅館でゆったりと心も体もリラックスして過ごすことを求めているのです。

そんなゲストのニーズに応えるためには、旅館の客室は癒し空間でなければなりません。

これから紹介するポイントを押さえれば、インテリアによって客室を癒しの空間へと変えられます。

ポイント①インテリアはロースタイルで統一

日本では古くから床座の生活様式でした。洋式化が進んだ今でもカーペットや畳の上に座ると落ち着くと感じる人は多いです。

床座に合わせて、客室インテリアを背が低いもの(ロースタイル)で統一すると、落ち着ける癒し空間に近づきます。

客室を広く見せるローベッド

旅館の寝具は布団であることも多いですが、最近では和室にベッドを取り入れている旅館も増えてきています。

ベッドは人の体より大きく空間の多くを占めるインテリアなので、ものによっては圧迫感や窮屈さを与えることもあります。

だからこそ、低めのローベッドにすることで圧迫感を与えず客室を広々と見せ、リラックスできる空間を作れるのです。

高さが低いので、敷布団の安心感や雰囲気も持ち合わせています。

また、ベッドならばご年配のゲストでも立ち座りしやすい、畳にベッドというおしゃれな和モダン空間になる、といった利点もあります。

低めのイスとテーブル

和室も洋室も備えた客室や和モダンな客室には、イスやテーブルも必要なこともありますよね。

癒し空間にするには、イスやテーブルも普段より低めのロースタイルがおすすめ。

床との距離を近くすることで安定感や安心感をもたらし、床座の人との目線を近くすることで団らんの空間を作り上げます。

自由度の高い座椅子や座布団

カーペットや畳の上に座るとしても、やはり座布団や座椅子が欲しいですよね。

座布団や座椅子は足を曲げたり伸ばしたりと姿勢が自由なので、イスよりもリラックス効果が高いのです。

座布団は軽くて持ち運びも簡単なので、重ねて高さを出したり、折りたたんで枕代わりにしたりなど、自由にリラックスできる姿勢が取れます。

客室には予備も含め複数枚置いておくと良いでしょう。

座椅子は背もたれが付いていてしっかりとした作りなので、安定感があります。より落ち着いてリラックスできる空間になります。

こだわりの畳

インテリアをロースタイルで統一すると、自然と目線も下になります。そこで、こだわりたいのが畳です。

ほとんどの旅館には畳の部屋があると思いますが、この畳までこだわることで、細部まで行きわたった癒し空間になります。

触り心地がよい上質ない草で作られた畳正方形が美しい琉球畳といったおしゃれな畳など、こだわってみるのもポイントです。

ポイント②心がなごむ間接照明を取り入れる

照明には大きく分けて全体照明と間接照明の2種類があります。

全体照明は広い範囲をしっかりと照らして作業や動作をしやすくし、間接照明は部屋の部分的に照らして部屋の雰囲気を左右します。

この間接照明にこだわることによって、客室を癒し空間にできるのです。

和紙や籐の自然素材の間接照明

まずは照明に使われる素材に注目しましょう。自然素材を使ったシェードの照明がおすすめです。

例えば和紙の照明は、光をやわらげる効果があります。

強い光は覚醒を促し、弱い光は眠気を誘うので、煌々とした光よりもぼんやりとしたやわらかい光の方がリラックスできます

伝統的な手すきの和紙を使ったものなら、手づくりならでは不均等な光にも癒されることでしょう。

籐を編んだ照明なら、網目からまばらに出る光がやわらかな光を演出します。籐以外にも竹やラタン、つるといった自然素材を編んだものなら同じ効果が得られるでしょう。

それぞれの香りもまた、癒しの効果をもたらしてくれます。

天井や壁を照らす間接照明

次に、照明の種類や形に着目しましょう。

ひと言で照明と言っても、ペンダントライト、シーリングライト、スタンドライト、スポットライト、ダウンライトなどさまざまな種類や形があります。

癒しの間接照明としてのおすすめは、天井や壁を照らすスタンドライトスポットライトの照明です。

天井や壁を照らすと空間が広々として見え開放感が生まれます。

天井や壁を照らすという、自宅ではあまりしない贅沢な光の使い方によって、非日常的なリラックス空間を作ることができます。

オレンジ色の光を出す間接照明

照明の色にもこだわりたいところです。

一般的にLED電球や蛍光灯には、電球色・温白色・白色・昼白色・昼光色の5種類があります。オレンジ系の色から青白い色の順で並んでいます。

電球色とはオレンジ系の温かみのある色です。比較的明るさを押さえた色で、気持ちをリラックスさせ安心や懐かしさを感じさせます

癒し空間にしたい客室には、ぴったりのオレンジ系の照明を選ぶとよいでしょう。

一方昼光色とは、朝日と似て最も白く青みがかった明るい色で、脳を覚醒させ緊張感を呼び起こし、集中力を高めるのに適しています。

作業部屋や書斎にはふさわしいですが、癒し空間には適していません。

ポイント③小物インテリアには伝統色を使う

日本には古くから伝わる色があります。日本人は昔から色を繊細な感覚でとらえ、生活や文化を彩ってきました。

日本の伝統色は自然界に存在するやさしい色合いで、その種類は400以上もあるといわれています。自然でやさしい伝統色は、私たちにやすらぎと懐かしさをもたらしてくれるでしょう。

ここでは、客室の小物インテリアに伝統色を使うことをおすすめします。小物インテリアとは湯呑・グラス・コースター・座布団カバー・ベッドカバーなど、比較的取り替えが容易な小物です。

季節や行事に合わせて小物インテリアの配色を取り替えれば、季節感あふれる客室作りができますよ

季節ごとに取り入れたい色

季節 伝統色
桜色・若葉色・深川鼠・古代紫
笹色・天壇青・麦わら色・鉛白
桔梗色・萩色・紅葉色
松葉色・雀茶色・舛花色

春といえば桜をイメージする人がやはり多いですよね。桜の開花中であれば桜の花びらのような桜色を使用し、桜の季節が過ぎてしまったら配色は変えたいところです。

春は木や草がみずみずしい季節でもあるので、若葉色をおすすめします。また、5月以降は藤の色のような色の深川鼠や古代紫を取り入れると大人っぽい上品な色で仕上げられます。

夏には七夕を想起させる笹色や、夏空のような天壇青で涼し気に彩りましょう。

夏の季語である「麦わら」色や、真夏の入道雲のような鉛白で夏の盛りを感じさせる色も素敵です。

残暑が続く秋口には、晩夏から初秋にかけて花を咲かせる「桔梗」色で、季節の移ろいを表現するのも粋な配色です。

さらに、秋の七草のひとつである「萩」色や秋の風物詩の”紅葉”色など、実りの秋には伝統色で豊かさを演出しましょう。

冬には、寒さが厳しくなっても変わらず美しい緑色を保つ松葉の色や、寒くなるとよく見かける「ふくら雀」を思い起こさせる雀茶色などがおすすめです。

また、冬の澄んだ空を思わせる舛花(ますはな)色は上品で落ち着いた空間を演出してくれます。

行事ごとに取り入れたい色

行事 伝統色
お正月 朱色・千歳緑・銀鼠
桃の節句 桃色・若草色・茄子紺色
重陽の節句 承和色・黄檗色

お正月にはおめでたい色の代表である朱色長寿をあらわす千歳緑で、新年を祝い健やかな1年が過ごせるよう、願いを込めます。

さらに、青みを含んだ明るい銀色のような銀鼠で、上品さもプラスするとよいでしょう。

桃の節句には桃色に加え、ひな人形でも使われている若草色や茄子紺色があると雅な雰囲気を演出出来ます。

重陽の節句は、邪気を払うと言われている菊の花が重宝され菊の節句とも呼ばれる行事です。

菊の花の色である黄色系の承和色や黄檗色がぴったりでしょう。

ポイント④壁飾りインテリアをプラスする

掛け軸や絵画、アートパネルなど壁に飾るインテリアは、客室全体のアクセントになるだけでなく、芸術的な美しさで私たちの心を満たしてくれます。

人は美しい美術品に触れると、ストレス軽減やリラックスの効果があるとされているのです。

確かな美術作品を飾ることで、よりゲストが癒される客室を作りましょう。

床の間

flower

床の間がある伝統的な日本式の客室の場合は、ぜひ花器や掛け軸を飾りましょう。

花入れには季節の生花を入れて飾ってください。生花のみずみずしさや香りからも癒し効果が得られます。

掛け軸には季節のしつらえが決まっているので、そこまで配慮して飾ると伝統的な和風空間を作れます。

掛け軸を用意できない場合は、タペストリーや手ぬぐいなどを飾るのも良いでしょう。

絵画

洋室と和室ともにある客室には、絵画を飾るのがおすすめです。

絵画といっても、作風によって全く雰囲気が異なるので、色合いやタッチなどの観点から客室に合うものを選んでください。

癒し空間を作るには、やわらかいタッチや色合いのもの、人物ではなく風景画などが好ましいでしょう。

また、絵画は額縁の形や素材感でも雰囲気は変化します。

丸や四角、装飾が豪華なものやシンプルなものなど、バリエーションはさまざまです。

アートパネル

アートパネルとは、素地を活かした額縁がないアートのことです。北欧発祥ですが、和とも洋とも相性が良いのでどんな客室にも合いやすいでしょう。

アートパネルに描かれる模様や絵は、北欧系からアジアンリゾート系、油絵風のものから織物までとてもジャンルが多いです。

きっと客室にぴったりの一枚が見つかりますよ。

龍村美術織物のアートパネル

おすすめは龍村美術織物のアートパネルです。

龍村美術織物は1894年創業の老舗で、伝統的な技術を守りながら「美術織物」という新しい分野を確立しました。

そんな龍村美術織物が生み出すアートパネルは、緻密でありながら大胆さを兼ね備え、枠にとらわれない美的感覚で作られた唯一無二の作品です。

客室に飾れば、ワンランク上の上質な雰囲気を作り出してくれます。

龍村美術織物 問い合わせフォーム

インテリアがおしゃれな癒しの旅館3選

おしゃれな客室を作るためには、他の旅館の実際のインテリアを参考にするのも重要です。

ここではインテリアがおしゃれな旅館を紹介します。

坐漁荘(静岡)

画像出典:一休コンシュルジュ

緑の木々がよく見える開放的な客室です。

ソファやテーブルはロースタイルで統一され、床座もできる大きなラグが敷かれています。

さらに、スタンドタイプの間接照明も設置され、リラックスできる客室となっています。

汀渚 ばさら邸(三重)

画像出典:一休コンシュルジュ

上品なあたたかみのある客室です。

客室全体のカラーを、くすんだ自然な色で統一しています。

伝統色でいうと、灰色がかった黄色系の枯草色を暖色系の灯りで効果的に照らすことで、広々と落ち着いた雰囲気を演出しています。

リバーリトリート雅樂俱(富山)

画像出典:一休コンシュルジュ

木目調のシンプルな客室です。

無駄なものを取り除くことで、さまざまな雑念から離れられる客室となっています。広いローベッドはのびのびとくつろげそうですね。

まとめ:あなたの旅館に癒しのインテリアを迎えよう

この記事では、癒し空間を生み出すための客室インテリアのポイントを紹介しました。

  • インテリアはロースタイルで統一
  • 心がなごむ間接照明を取り入れる
  • 小物インテリアには伝統色を使う
  • 壁飾りインテリアをプラスする

どれかひとつでも良いので参考にしてくださると幸いです。よりよい客室でゲストが癒される空間を作ってください。

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