ホテルにとってインテリアは、印象や雰囲気を決める重要な要素です。
実際に、客室やレストランにはおしゃれでスタイリッシュなインテリアを置いているホテルは多いでしょう。
しかし、ロビーのインテリアまでこだわっているホテルは少ないのではないでしょうか？
ロビーはゲストが最初に過ごす室内空間であり、ゲスト以外の人も利用する空間のため、ホテルのセンスが際立つ場所です。
この記事では、ロビーの役割を解説した上で、テイストごとにインテリア選びのポイントを解説します。
細部までこだわって、競合ホテルと差を付けましょう。
ホテルのロビーの役割
まずは、ロビーの役割を理解しましょう。ロビーはエントランスやラウンジなどと混同しやすく、正しく理解できている人は実は少ないのです。
ロビーとは、ホテル・劇場などで、玄関に続く通路を兼ねた広間。休憩・待ち合わせなどに使う
一般的なホテルのロビーとは、フロントや受付の前の広場のことです。
少し休憩したり、待ち合せたりするのにふさわしい場所として多くの人に認識されています。
具体的なロビーの利用シーンはこちら。
- チェックイン手続きの順番を待つ間、ソファに座る
- 別部屋に滞在する家族と、ホテルロビーに集合してから出かける
- 宿泊者以外との待ち合わせに利用する
- カフェ併設ならば、宿泊しなくても友人とのティータイムに利用する
単なる広場や通路ではなく、近年では社交の場や商業の場と考える傾向が高まりつつあります。
ホテル業界では、ロビーを装飾して適切なイメージを与えようと工夫しているホテルも増えてきています。
ソファやテーブル、シャンデリアや絵画など、ホテルが伝えたいイメージのインテリアを置き、一線を画しましょう。
ゲストが最初に過ごす室内空間、かつ、ゲスト以外も利用する可能性があるので、ホテルのロビーにこだわって損はありません。
ブランディングやオリジナルの空間づくりに活かしてください。
ホテルに合ったテイストを決める
インテリアを選び始める前に、ホテルに合ったテイストを決めましょう。
ゲストにどんな風に過ごしてもらいたいか、ゲスト以外の人にどんな印象を持ってもらいたいか…などを検討して決定してください。
ホテルタイプやコンセプトによっても変わってきます。
ここでは下記のテイストごとに、インテリア選びのポイントを紹介します。
- 和モダン
- ラグジュアリー
- アットホーム
- アジアンリゾート
和モダンなホテルロビー
画像出典：Lilycolor
和モダンとは、和とモダン（現代風）が融合したテイストのことです。
古くから伝わるぬくもりのある和と、使い勝手がよくスタイリッシュなモダンを組みわせた和モダンは、現在とても人気のあるテイストです。
全体的に落ち着いた色
和モダンなホテルロビーを作るには、全体的に落ち着いた色でまとめることが重要です。
落ち着いた色とは、例えば下記のようなもの。
- 生成り色
- アイボリー
- 濃い茶色
- くすんだ緑…など
色の境界があいまいなふんわりとした色で、心が和む和モダンを演出します。
逆にビビッドなピンクや水色、真っ白などの色はあまりおすすめできません。
使うとしてもほんの小さなアクセント程度に押さえましょう。
ロースタイルのインテリア
和モダンな空間は、背丈の低いインテリアで統一しましょう。いわゆるロースタイルインテリアです。
古くから床座の生活様式だった日本人は、洋式化が進んだ今でもカーペットや畳の上に座ると落ち着くと感じやすいです。
床座に目線を合わせたロースタイルのインテリアは、落ち着いた空間を演出してくれます。
日本人に限らずとも、低い重心は安定感があるので安心とくつろぎの印象を与える効果があるのです。
具体的には、ソファやテーブルなどを背丈の低いものにしたり、カーペットや観葉植物で目線を下に引きつけたりすることで、ロースタイルの空間を表現できます。
和風のインテリア
現在のホテルでは一般的に洋風のロビーが多いです。洋風のロビーには和風のインテリアを加えるだけでも、和モダンにぐっと近づきます。
和風のインテリアを追加する方法は
- 伝統文様が入ったカーペットを敷く
- 小窓に障子を取り付ける
- イスの座面を畳素材にする…
などがあり、いずれかひとつだけでも取り入れれば和モダンになるでしょう。
ラグジュアリーなホテルロビー
ターゲットとしている年齢層が高めのホテルや、一定ランク以上のホテルには、ラグジュアリーなロビーが適しています。
ベースカラーには膨張色
膨張色には、大きく近く見せる効果があります。
天井や壁紙に膨張色を使えば天井が高く横の広がりを感じるロビーとなります。
ソファやテーブルなど比較的大きな面積を占めるインテリアに膨張色を使えば大きくゆったりとしたロビーに見えます。
インテリアが所せましと並んでいるのではなく、ゆったり広々とした空間の方がラグジュアリーテイストになるのです。
膨張色には下記のような色が挙げられます。
- 白
- アイボリー
- 黄色
- オレンジ
- 薄いピンク…など
アクセントカラーを取り入れたい場合は、バーガンディやモスグリーンなどを小物インテリアに選ぶと良いでしょう。
重厚感のあるインテリア
ラグジュアリーなロビーには、重厚感のあるインテリアが欠かせません。重厚感があることで、落ち着いた上品な空間になるからです。
例えば、大理石のテーブル、天然木のイス、本革のソファなど、重みを感じる上質な素材を用いたインテリアがおすすめです。
華やかな装飾のインテリア
華やかで細やかなインテリアもラグジュアリーなロビーを作る一助となります。
ヨーロッパを思わせるような彫刻や模様、ステンドグラスなどはラグジュアリー空間の定番インテリアといえるでしょう。
普段は味わえない非日常を感じさせるインテリアで、ラグジュアリーなロビーを演出できます。
アットホームなホテルロビー
画像出典：スーパーホテル京都・四条河原町
長期滞在向けのホテルやファミリー向けのホテルには、アットホームなロビーがふさわしいでしょう。
アースカラーで統一
アースカラーとは、大地や植物、海などの地球の自然物をイメージさせる色のことです。
- 大地の茶色
- 植物の緑色
- 海の深い青
- 空の淡い水色…など
自然を感じさせる色なので、どこか安心できる印象を与えてくれます。
実際にアースカラーには、鎮静効果、癒し効果、ストレス緩和効果があるとされています。
ロビーにアースカラーを多く取り入れることで、ゲストの長旅の疲れを癒し、まるで自宅に帰ってきたような気持ちにさせることができるでしょう。
自然素材のインテリア
自然素材のインテリアで自然そのままの触感や色を取り入れるのもよいでしょう。
前述のアースカラーを、色だけでなく素材まるごと取り入れることができます。
木材のテーブルや植物のツルを使った置物など、あまり加工されていない無垢材や天然木がおすすめです。
自然素材のインテリアを配置することで、深呼吸したくなるような木の香りや目に優しい色合いを出し、自然とほっとするホテルロビーになるでしょう。
インテリアとしての観葉植物
画像出典：LOVEGREEN
インテリアとしての観葉植物の効果は、クリーンで清潔な印象を与えてくれる点。落ち着くアットホームな空間に、清潔感は必須といえるでしょう。
観葉植物は、たくさん置く必要はありません。主張し過ぎず、さりげなく配置する程度がちょうど良いです。
ソファの横やテーブルの上に寄り添うように置かれていれば、効果を十分に発揮できます。
アジアンリゾートテイストのホテルロビー
画像出典：One’s Resort Bali
暑い地域にあるホテルやリゾートホテルには、リゾートテイストのロビーがよく合います。
リゾートテイストにもいくつか種類がありますが、ここではアジアンリゾートについて解説します。
アジアの伝統工芸品
画像出典：MALAIKA
アジアンリゾートテイストな空間にする最も効果的な方法は、現地の伝統工芸品をインテリアに取り入れることです。
アジアンリゾートテイストとは、インドネシアやタイ、ベトナムのリゾート地を思わせる空間のことなので、これらの国々の伝統工芸品を取り入れてみてください。
アジアのリゾート地として名高いバリ島のものでも良いでしょう。
例として、バリの伝統工芸品を挙げてみました。
- バティック（ろうけつ染めのテキスタイル）
- イカット（伝統的織物）
- アタ製品（シダ性植物のツルを編んだもの）
- ジェンガラ（陶磁器）
- ガムランボール（銀細工）…など
現地の伝統工芸品は奥が深いので選ぶのも楽しいですよ。
背の高い大きな植物
画像出典：ELLE
アジアンリゾートテイストにぴったりな観葉植物は、高さが人間の背丈程度あり、葉が大きく濃い色の植物です。
他にも、ガジュマルやヤシといった南国に特徴的な植物もふさわしいでしょう。
おすすめの植物は下記の通り。
- モンステラ
- ココヤシ
- コーヒーノキ
- ガジュマル
アートパネルを飾ってより洗練されたロビーへ
もっと上質なロビー空間にしたいならば、龍村美術織物のアートパネルをおすすめします。
アートパネルとは素地を活かしたフレームのないアートのこと。フレームがないのですっきりとした立体感を楽しめます。
龍村美術織物のアートパネルは、120年以上磨かれてきた技術で作られた織物を使用し、斬新かつ独創的な意匠が魅力です。
ロビーに飾れば、より洗練された空間に引き立ててくれます。
まとめ：こだわりのインテリアで魅せるホテルロビーへ
テイストごとのインテリア選びのポイントを解説しましたが、具体的なイメージは沸きましたか？
インテリアの色や種類や素材などを、ポイントを絞って選ぶことで全体的に統一感が生まれおしゃれになります。アートパネルを飾れば、さらにワンランク上のロビー空間に。
今までロビーにあまりこだわっていなかった方やロビーの雰囲気を刷新したい方は、ぜひ参考にしてください。
